「求人と言えばハローワーク」今でもそう考えている企業は多いです。
その一方で「ハローワークに求人を掲載しているけど、一向に応募が来ない」という声も聞きます。

そこで今回は【2024年版】ハローワークの効果的な活用法と題し、ハローワークに求人を出すメリットやデメリットをお伝えしていきます。

ハローワークに求人を出すメリット

掲載は無料

ハローワークは全国に544カ所設置されており、職員数は10,000人以上、相談員は15,000人を超えます。民間企業であれば大企業にあたる従業員規模です。これだけの規模でありながら、求人掲載料金は無料です。

なぜなら、ハローワークは民間企業のサービスではなく、厚生労働省が運営しているから。また、事務手数料や採用が決まった際の成果報酬などの追加費用もありません。できるだけコストをかけず求人を行いたいという企業に向いているサービスを言えるでしょう。

信頼感を得やすい

厚生労働省が運営が運営しているので、求職者からの信頼を得やすいでしょう。
また、事業所情報登録に手間がかかりますので、実態が無いなど怪しい企業はフィルタリングされやすいと言えます。

助成金が利用できる場合がある

ハローワーク経由で採用をすることで、助成金を受け取れる制度があります。原則、返金は不要です。
助成金の種類は、大きく分けて雇用労働分野と研究開発分野の2タイプ。その種類はなんと50種類以上。

母子家庭の母親や障害者、就職氷河期世代を雇用したり、トライアル雇用、人員の増加に伴う設備投資費用などの助成金を受け取ることができます。

ハローワークに求人を出すデメリット

とても魅力的はハローワークの求人ですが、実はデメリットもいくつかあります。

事業所情報登録に手間がかかる

ハローワークに求人を出す際は、あらかじめ事業所情報登録を行わなければなりません。具体的には、企業基本情報や事業所詳細情報などを記入する「事業所登録シート」を作成して提出しなければならず、求人媒体や人材紹介サービスを利用する場合と比べて手間がかかります。

ただし、一度事業所情報登録を済ませたらその後はすぐに求人申込書の記入・提出ができるため、この手間は最初だけといえます。

競合他社との差別化がはかりづらい

こちらは事業者登録シートの事業所PR情報を記載できる用紙です。

福利厚生、研修制度、両立支援、障害者に対する配慮などが記入できます。

続いて、求人票です。

事業者登録シートも求人票も書けることが限られており、基本的には「給与、場所、仕事の内容等、条件のみの提示」と考えて差し支えないと思います。

この項目のみしか記入できないとなると「職場の雰囲気」や「入社後の見通し」「会社の特長」などが求職者に伝わらず、結局条件のみで応募してくる人がほとんどになります。

こうなってしまうと結局給与が高い会社が有利になってしまい、中小企業にとっては採用活動が難しくなってしまう可能性があります。

採用のミスマッチが起こりやすい

条件面だけで応募が来る・・・と考えると、即戦力が欲しいのにまったくの未経験の人が応募してきたり、「御社で働きたい!」という気持ちを持った人の応募は少なくなります。
結果、ミスマッチが起きやすくな可能性が高くなります。

たとえミスマッチでも、ハローワークを仲介者としながら書類選考や面接を行わなければいけないので、結果時間的なロスが生まれやすくなります。(※詳しくは次の項目で)

やりとりにコストがかかる

求人に応募があった場合、採用までのプロセスをすべてハローワークに報告しなければいけません。

  • ハローワークから面接希望者の紹介
  • 書類選考の可否
  • 面接日時の決定
  • 履歴書の郵送
  • 採否結果

応募〜に採用まで、ハローワークが仲介者になるイメージですね。
連絡手段は電話かFAXのみです。
このやりとりには時間や給与などのコストがかかります。

参考:求人提出から採用までの流れ図(大阪ハローワーク)

Webの求人サイトの場合は、直接求職者とのやりとりが可能なため、これらのコストを大幅に減らすことが可能です。

ネットに比べると応募が集まりにくい

ハローワークの開庁時間は平日の「8時30分~17時15分」で、混雑していると1時間以上の待ち時間がかかる場合があります。転職希望の人が昼休みを利用してハローワークを利用するのは現実的に難しいと言えるでしょう。また、在職中の場合、一部応募できない求人があります。

ハローワークのインターネットサービスもあるのですが、ハローワークを通さずに自主応募をした場合、雇用保険の再就職手当等の対象外となります。

これらの条件をふまえると、いつでも閲覧、応募ができるWeb求人に比べると応募数が少なくなる可能性があります。

若い人が集まりにくい

ハローワークの利用者は、30歳以上が85%以上を占めると言われています。
20代の若者を採用したい場合は不向きなサービスと言えるでしょう。

転職希望者よりも失業者が集まりやすい

先述の通り開庁時間と待ち時間を考えると、在職中の人が気軽にハローワークを利用するのは難しい状況と言えます。また失業手当(失業保険)の手続きをハローワークで行うことから、ハローワークの来場者は失業者が多いと考えられます。

そのため、転職希望者に比べるとブランクのある人が多い可能性があり、即戦力が求める企業にとっては欲しい人材が少ない可能性もあります。

求職者側のメリット

ここまで「求人する側」のメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、実は求職者にとっては大きなメリットがあります。

それは、ハローワーク経由で求人に応募することで、失業手当や就職祝い金(再就職手当)を受け取るための要件が満たせるということです。

そのため、Indeed等の求人サイトで求人内容を確認してから、ハローワークを通じて応募してくる人が一定数いるのです。
結果的に採用に関する手間は増えてはしまいますが、人手不足の今、ひとりでも多くの応募を獲得したい企業にとってはメリットがあるとも言えるでしょう。

ちなみに、ハローワークに求人を出せば自動的に求人情報がIndeed等に掲載されますが、求人票には限られた情報しか記載できないのでなかなか応募にはつながりにくいです。

求職者が知りたい情報をふんだんに盛り込んだ求人原稿をIndeed等の求人サイトにアップしておくと良いでしょう。

ハローワークの効果的な活用法

以上のことから、応募をとりこぼさないハローワークの活用方法は以下の通り。

※ただしブランクの長い人も含まれる高いので、即戦力が欲しい場合は、一旦ハローワークに求人を出しながら様子を見て、ミスマッチが起こりがちな場合は掲載期間の延長を取り下げましょう

1
「求職者に刺さる」原稿を作成する

求職者が知りたい情報をふんだんに盛り込みましょう

2
原稿を求人サイトにアップする

アップすることで若者を含めたより多くの人に御社の認知を広げることができます

3
ハローワークに求人票を出しておく

ハローワーク経由で応募したい人の数を増やせます。

求人サイト、ハローワーク、互いの長所を活かした活用をすることで、求人応募を増やすことが期待できます。社内が採用に割けるコストも考えた上で、どのように活用をするか検討してみてください。