日本が抱える人手不足の現状
少子高齢化が進む日本では、人手不足が深刻化しています。日本商工会議所が2023年に実施したアンケート調査によれば、中小企業の約70%が「人手不足」と回答。うち約60%以上は事業に影響する状態と回答しています。
帝国データバンクは、人手不足が原因の倒産件数が2024年上半期(1〜6月)に前年同期比7割増の182件だったと発表しました。 年間ベースで過去最多だった23年(260件)を上回る勢いで推移しているそうです。
特に目立ったのは、4月に時間外労働規制が適用された物流や建設業界を中心に、働き手を確保しづらい小規模事業者の倒産でした。
若手の採用が会社の将来を左右する
これからの中小企業の命題になってくるのが若手の採用です。
なぜなら、少子高齢化で若者の数が減るからです。
成人の数を見ると、2024年の成人が106万人に対し、2040年は77万人とおよそ3割減ります。
15年後にはさらに若者を採用しにくくなるのは避けられません。
また、今のうちに若者の採用をしっかりとしておかないと、職場の極端な高齢化を招きます。
働きざかりの35歳の若手も15年後には50歳です。
平均年齢が50歳を超える職場に、20代の若者が働きたいと思うでしょうか?
今、若手の採用に力を入れなければ、少ない数を争う場にも立てなくなってしまうかもしれないのです。
富士市の若者はどれくらい減っている?
私たちが住む富士市での数字を見てみましょう。
富士市の発表によると、令和6年4月1日現在、0歳児の人口は1,381人です。
ちなみに、平成16年に生まれた0歳児の数は2,292人でした。
この20年間で子どもの数が4割も減少しているのです。
では、富士市で生まれた子どもたちが、どれくらい富士市に残っているでしょうか?
今は大卒で働く若者が多くなっています。23歳を新社会人として見てみましょう。
富士市で今年23歳になる若者の数は、男女合わせて2,232人。
彼らが生まれた年の0歳児の数は2,553人。
約300人(およそ13%)が市外に流出していることが分かります。
1つの年齢単体で見ると300人はさほど多くないと感じる方もいるかもしれませんが、23歳〜33歳まで、10歳差まで単純に10倍すると3,000人になります。これは見逃せない数字と言えるでしょう。
これからの採用活動でやるべきこと
富士市の若者の人口についてのまとめは以下の通りです。
- 出生率は減少。20年前と比べると4割も減っている。
- 富士市で生まれた子どものおよそ13%が市外に流出している。
若手の労働市場はますます激化します。
単純に考えれば、20年後は今より若者が4割減っていて、減ったパイを争い合う状況が生まれます。
この状況に対処するためには「採用活動を強化して人手を維持する」か「仕事を効率化し生産性を上げて、少ない人手でも仕事が回るようにする」しかありません。
現状を打破するためには、経営者側が知恵を出し、会社の魅力をいかに若手に伝えていくかが重要になります。
ますます進む人手不足に備え、今から準備してきましょう。